【サンパウロ共同】アルゼンチン政府は5日、米機関投資家らと行ってきた計約650億ドル(約7兆円)に上る債務の再編交渉を8月4日まで(8月末までとの報道もある)さらに延長すると発表した。6月に交渉期限を7月24日まで延長すると発表していた。アルゼンチンは5月22日が期限だった約5億ドルの利払いを実行せず、6年ぶり9回目のデフォルト(債務不履行)に陥った。
政府側は6月に当初提示していた3年間の返済猶予を2年間に短縮するなど譲歩したが、債権者側と折り合いが付かず、4月から続く交渉は決裂も危ぶまれていた。交渉期間をさらに延ばすことで、新たな条件を提示して歩み寄りの可能性を探る。

投稿者 荒尾保一

(追補)

(ブルームバーグ)

アルゼンチンは5日遅く、650億ドル(約7兆円)の外貨建て債再編に関する最新案を公表し、期限を8月4日まで延長すると発表した。

声明によると、新提案には外債の元本について債権者側の損失を減らし、利率を引き上げることなどが盛り込まれた。提案を進める条件として最低参加基準も設けられたが、具体的な比率は公表されていない。アルゼンチンは今回の条件修正について、「国際金融コミュニティーに関与し続ける意向と誠実さの証し」だと強調した。

アルゼンチンの債務再編交渉はここ数週間、ほとんど進展が見られず、最大の債権者の一部とも対話が限られ手詰まり状態にあった。5月に同国史上9回目のデフォルト(債務不履行)に陥ったアルゼンチンは合意期限を繰り返し延長し、次の期限を7月24日に設定していた。

新たな提案によると、元本返済は2025年3月開始で、利払いは3月と9月の年2回で21年9月に始まる。4月に発表された提案では利払い開始が23年だった。利率は来年0.125%で始まるが、最終的には一部の債券で年率5%となり、徐々に上昇する内容。
フェルナンデス大統領は5日、発表に先立ち地元ラジオとのインタビューで最新案について「われわれができる最大限の取り組みだ」と述べた。