[ブルームバーグ 29日] – 訪米中のアルゼンチンのミレイ次期大統領は28日、ワシントンで米政府高官と会談した。リバタリアン(自由至上主義者)のミレイ氏は危機的状況にある国内経済の回復を図る自身の計画に支持を取り付けたい考えだ。
ミレイ氏はサリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)および米国務省・米国家安全保障会議(NSC)の高官らと会談。ミレイ氏の経済顧問ルイス・カプト氏とニコラス・ポッセ選挙対策本部長は国際通貨基金(IMF)や米財務省と協議した。
アルゼンチンはIMFとの430億ドル(約6兆3150億円)の融資契約を見直す準備をしている。一方、米政府はアルゼンチンに対する中国の影響力について懸念を強めている。アルゼンチンは、直近の危機を乗り切るために北京から資金を借り入れた。
ミレイ氏のチームが明らかにしたところでは、この会談はマーク・スタンレー駐アルゼンチン米国大使の協力を得て、ミレイ氏が自身の経済計画を説明するために設定された。
同チームはX(旧ツイッター)で、アルゼンチンが政治・経済・社会的に困難な状況に直面する中で、サリバン氏は「アルゼンチンの政権移行に協力する意向を表明した」と明らかにした。
IMFとホワイトハウスのNSCにコメントを求めたがすぐには返答はなかった。
事情に詳しい関係者によると、ミレイ氏のチームは米国とIMFから支持を得られれば、政治・経済的なトラブルに陥ることなくスムーズに政権移行を行うことができる可能性があるとみている。
ミレイ氏は自国通貨を米ドルに切り替えることや、中央銀行の廃止を選挙公約に掲げていたが、当選後はこうした計画から距離を置いている。大統領就任式は12月10日に予定されている。
投稿者 宍戸和郎