[ロイター 19日] – アルゼンチンでインフレ率が211%に達し、公式為替レートと非公式の並行レートの乖離が拡大する中、通貨ペソが再び切り下げられるとの見方が高まっている。

ペソは、闇市場などの並行市場と、厳しい資本規制に支えられている公式レートと大きく乖離する状態が何年も続いている。
今年に入り並行市場のレートは下落基調。1ドル=1200ペソ以上となっているのに対し、公式レートは約820ペソ。50%近い開きがある。政府が公式レートを50%以上切り下げた昨年12月に乖離幅が急激に縮小したが、ここ数週間で倍増している。
毎月2%ずつという「クローリング・ペッグ」の幅を大きく上回る下落に加え、12月の前月比物価上昇率が25%を超えたことも踏まえ、コンサルティング会社インベノミカのディレクター、パブロ・ベスメドリスニク氏は、「このペソ安が続き、物価に関する前向きなニュースがなければ、切り下げ期待は高まる」と指摘。また、商品作物である大豆とトウモロコシの収穫期である3─4月の前に切り下げを行うことは理にかなっていると述べた。
投稿者 宍戸和郎