[乗りものニュース 1日] – アルゼンチン国防省は2024年3月27日、省本部で行われた式典で、デンマークからF-16を24機購入することを決定する意向書に署名したと発表しました。
署名は、アルゼンチン国防相のルイス・ペトリ氏と、デンマーク国防相のトロールス・ルン・ポールセン氏により行われました。実はアルゼンチン空軍は、2015年にミラージュIIIが退役して以降、超音速の航空機がゼロとなっています。
次期超音速機に関しては、ミラージュIIIの退役直前から盛んに論議されていたものの、アルゼンチンは1982年にイギリスと戦ったフォークランド紛争(マルビナス戦争)の関係で、同国から制裁を受けているため、同国由来の技術が使われている軍用機の購入に制約がかかっていました。そのためイギリス製の部品が使われていないF-16は、有力な候補となっていましたが、本格的な交渉に入る前に大統領選を迎え、政権交代が起こり、棚上げとなっていました。しかし、新たに就任したミレイ大統領は親米路線ということで、前政権と同じくF-16の交渉に動いたようです。
ペトリ国防相は今回の署名に関して公式X(旧Twitter)上で「我々は、デンマーク、アメリカ、アルゼンチン間の防衛協力のための基礎固めを行っている。我々は、軍備を強化し、我々は大統領の公約を再認識し、領空の警備と防衛を可能にする超音速能力の回復を続ける」と投稿。国防省の公式Xでも「防衛への投資が再び優先事項となっています。 私たちは軍隊に装備を整え、国の超音速能力を回復しています」と超音速機が再び配備されることを強調しました。まだ意向書に署名した段階であり、資金的問題や両国間のトラブルがない限りは、将来的には取得を正式決定する両国間の署名が行われるとみられています。
なお、F-16の売却に関しては製造国であるアメリカの承認はすでに下りており、デンマークはアルゼンチンに24機の売却を予定しているほか、19機をウクライナに供与することをすでに決定しています。
アルゼンチンが購入予定であるデンマーク空軍のF-16(画像:デンマーク空軍)
投稿者 宍戸和郎