[ロイター 24日] – アルゼンチンのミレイ大統領は昨年末に就任して以来、痛みを伴う財政緊縮策の実行にもかかわらず高い人気を保っていたが、ここにきて支持率が低下し始めた。
トルクァト・ディ・テラ大学が23日発表した9月の世論調査では、ミレイ氏の支持率が前回比で約15%ポイント下がり、就任以来の9カ月間で最も大幅な低下となった。
調査会社ポリアルキアの調査ではミレイ氏の支持率が前月比7%ポイント低下。コンサルタント会社プロジェクシオンの調査では、ミレイ政権に好意的な人の割合が44.8%に減り、否定的な人の割合が50.7%に増えた。
ミレイ氏は就任後、厳しい財政緊縮策を進めながらも高い支持率を維持。アルゼンチン経済は景気後退に陥り、貧困率も高まったが、大規模な抗議デモなどは起こっていない。
ミレイ氏の政党は議会で少数派のため、改革を遂行するには国民からの高い人気が頼りだ。
ポリアルキアのディレクター、アレハンドロ・カッテルベルグ氏はラジオで、ミレイ氏が厳しい経済改革を実行しながら高い支持率を保ってきたことは変則的な事態だったと解説。各種調査で支持率が低下し始めたのは「万有引力の法則が存在するということだ」と述べ、どんな政権でも起こる自然な現象だとの見方を示した。
投稿者 宍戸和郎