[ロイター 10日] – アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)が10日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年比209.0%上昇と、前月(236.7%)から伸びが鈍化した。ただ、所得がほとんど増えない中で世界で最悪レベルのインフレが続き、労働者を圧迫している。
CPI上昇率は市場予想と一致した。2024年末までに124%に鈍化すると見込まれている。
前月比は3.5%上昇と、伸び率は8月の4.2%から鈍化し、21年終盤以来の低水準となった。
生活必需品の価格が高騰する一方で、ミレイ政権はエネルギーや輸送などの補助金を削減し、公共部門の肥大化を抑える方針を示している。
ミレイ大統領はCPI統計の発表を受け「前例のないインフレとの戦いが繰り広げられている。時間はかかるが、これは本物だ」とXに投稿した。
財政緊縮策により景気後退(リセッション)が長期化し、貧困率は53%前後に上昇している。
9月は家賃、水道、電気、ガス代が前月比7%強上昇し、衣料品と靴が6%上昇、教育費が4%強上昇した。
食品価格は2%の上昇にとどまったが、前年比では3倍以上となり、住居費と光熱費は4倍近くになった。医療費や交通費なども200%を上回る伸びを記録した。
投稿者 宍戸和郎