[時事 18日] – アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は17日、自身が言及した暗号資産(仮想通貨)が急落し、投資家に数十億ドルの損失をもたらしたとの批判に対し、関与を否定した。連邦検察庁は、この問題に関する捜査の準備を進めていると報じられている。ミレイ氏はニュースチャンネルTNのインタビューで、「私は推奨したのではなく、単に紹介しただけだ」と主張。「政府は関与していない。これは民間の問題だ」と述べた上で、「私は善意で行動した」と弁明した。
問題となっているのは、ミレイ氏が14日夜にSNSで暗号資産「$LIBRA」を称賛したことに端を発する。その後、同資産の時価総額は急上昇したものの、短期間で急落。ミレイ氏は数時間後に投稿を削除し、「誤りを犯した」と認めた。報道によれば、検察庁はミレイ氏の行為が詐欺や職権乱用に該当する可能性、さらには犯罪組織との関与の有無について調査を進める方針だという。
国内の経済学者や暗号資産の専門家、野党議員らは、「無政府資本主義者」を自称する経済学者でもあるミレイ氏を厳しく批判。今回の事態は投資詐欺に相当する可能性があるとの見方を示している。告発団体の一つであるNGO「都市への権利のための観測所」は、ミレイ氏が「$LIBRAを用いた詐欺を行う犯罪組織」に加担し、「4万人以上に総額40億ドル(約6100億円)を超える損失をもたらした」疑いがあると指摘している。
投稿者 宍戸和郎