[ロイター 15日] – アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)が14日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前月比上昇率が2.8%と、アナリストらによる市場予想の3.1%を下回った。3月は3.7%だった。4月の前年同月比上昇率は47.3%で、市場予想の47.7%をやや下回った。3月は55.9%だった。
経済省は「このデータは、ミレイ大統領の就任以降にインフレ率が大きく減速していることを反映している」とのコメントを出した。ミレイ政権下でCPIの前月比上昇率は大幅に下がった半面、国家支出の削減は年金やインフラ事業に打撃を与えており、国家公務員の給与も減った。多くの国民が生活苦に直面する中で、大規模なストライキや抗議行動が起きている。ブエノスアイレス在住のマルセロ・メディナさん(60)は14日のロイターの取材に「特に食品の物価は上がり続けている」とし、「生活費は非常に高く、給料が物価に追い付いていないことが分かる」と指摘した。
ロイターがアナリストらに今月実施した調査では、CPIの前月比上昇率が2025年後半に2%まで鈍化する可能性があると予想した。一方、中央銀行が最近実施した市場調査は7月の前月比上昇率が2%、8月に1.8%となると予測。今年末の前年同月比上昇率は31.8%になるとの見通しを示した。ミレイ大統領は今週、アルゼンチンは来年半ばまでに「インフレではなくなる」と訴えた。
投稿者 宍戸和郎