[ロイター 13日] – 26日に控えたアルゼンチン議会の中間選挙はミレイ大統領のリバタリアン的な経済政策に対して米国からの金融支援が相次いだとしても、有権者がミレイ氏の少数与党に投票するとは限らず、投資家の強気な市場見通しにとって最大のリスク要因になっている。
ミレイ氏の右派的な政治姿勢は、トランプ米大統領の政権に好意的に受け止められている。一方で、ミレイ氏が2023年12月に大統領に就任して以来、アルゼンチンは歳出削減とインフレ抑制努力によって新興国の中で最も良好な投資収益を投資家にもたらした。しかし、有権者の支持率は最近、ミレイ氏の側近にまで及ぶ汚職疑惑のために低下に拍車がかかっている。投資家が重要な指標とみなすミレイ氏の人気も陰りが見られ、ペソや国債が下落している。
ミレイ氏が率いる自由の前進党(LLA)はミレイ氏が財政緊縮と自由市場改革を推進できるように中間選挙で議会上下両院の議席増を目指している。アルゼンチンはこれまでにデフォルト(債務不履行)やその他の金融危機を繰り返し経験してきた。米財務省は9日、公開市場で金額を公表せずにペソを購入し、アルゼンチン中央銀行と200億ドルのスワップ協定を締結した。米国の支援によって市場圧力はある程度和らぎ、焦点は中間選挙に移っている。
フェデレーテッド・ハーメスの新興国債務担当シニア・ポートフォリオ・マネージャー、ジェイソン・デヴィト氏は「市場はミレイ氏の健闘を望んでいる。現在問題なのは、もしもミレイ氏が選挙で勝てなかったら、米国からの支援がどの程度続くかどうかという点だ」と指摘。その上で「米国の行動がミレイ氏の党や連立政権が中間選挙で勝利するのに役立っていないと受け止められれば、この種の支援が続かないのではないかという懸念がたぶん生じる」と述べた。
投稿者 宍戸和郎