[ロイター 14日] – アルゼンチンの議会上院は14日、ミレイ大統領が提出した大規模な経済改革案を賛成25、反対42、棄権4の反対多数で否決した。財政引き締めを主要政策に掲げるミレイ氏にとって大きな打撃となる。
改革案には当初600余りの項目が盛り込まれていた。下院でも否決されれば廃案が確実だが、ミレイ氏の与党勢力は上下両院で少数派。議会は先月も別の大規模な改革案を阻止している。
上院の野党議員は今回の否決の理由について「全く単純で、違憲だからだ」と述べた。
経済学者出身で自由至上主義者(リバタリアン)のミレイ氏は昨年12月に大統領に就任。大統領の権限を使って民営化や労働改革などさまざまな施策を打ち出している。
こうした政策により財政収支と貿易収支は不均衡が改善しつつあるが、一方で年間インフレ率が先月276%まで急上昇し、全人口の57%が貧困に陥るなど、国民の生活は厳しくなっている。
投稿者 宍戸和郎