[ブエノスアイレス 26日 ロイター] – 格付け会社フィッチは26日、アルゼンチンの長期ソブリン格付けを「CCC」から「CCCマイナス」に1段階引き下げた。
アルゼンチンは民間債権者および国際通貨基金(IMF)との間で、過去2年に総額1000億ドルを超える債務の再編を強いられた。今もなお資本逃避や通貨安に悩まされ、今年の物価上昇率は100%を突破する見通し。アルゼンチン国債の価格は既に額面当たり0.20ドル前後とデフォルト(債務不履行)扱いで、投資家が来年から2025年に到来する債務返済についていかに懸念を持っているかが分かる。
フィッチは、格下げはアルゼンチンの深刻なマクロ経済面の不均衡と、限られた対外流動性を反映していると説明。今後増えてくる対外債務返済の支払い能力を一段と損なうことになると指摘した。
さらにフィッチは、今年IMFと合意した新たな金融支援も、外貨準備の再構築と金融資本市場での資金調達再開に必要な経済政策の「強力なアンカー」になったとはまだ証明されていないとの見方を示した。
各種資本規制は外貨流出の制限に役立っているものの、完全に流出を止められていないという。
投稿者荒尾保一