[ロイター 26日] – アルゼンチンの今年上半期の貧困率が約53%と大きく上昇したことが、26日公表された公式データで分かった。昨年末の41.7%から急上昇し、7年前の26%から2倍以上となった。
深刻な財政赤字の解消に向けたミレイ大統領の緊縮財政政策が短期的に大きな痛みをもたらしていることが浮き彫りになった。
アルゼンチンは深刻な景気後退(リセッション)に陥っており、インフレ率は3桁台にとどまっているが、改善の兆しも見られる。
ブエノスアイレス在住でゴミのリサイクル、段ボール回収、レンガ職人として3つの仕事を手がけるイルマ・カサルさん(53)は、ここまでしても生計を立てるのに苦労していると訴え、「現政権発足以来仕事が急減した。以前の2倍働いても賃金は減っており、それでも続けざるを得ない」と述べた。
アルゼンチン・カトリック大学の調査によると、今年上半期の貧困率は平均で52%と推計されている。
投稿者 宍戸和郎