アルゼンチン政府は5月に返済期限が迫っている24億ドルの債務について、再び債務再編交渉に乗り出さなければならい状態にある。
2月末時点のアルゼンチンの政府債務額は3349億ドル。2019年12月に発足したフェルナンデス政権は返済負担の軽減を求め、20年8月に米欧の金融機関と約45%の債務減免で合意した。国際機関や主要先進国の債務にも同様の措置を求めている。
今回焦点となっているのは日米欧などで構成するパリクラブ(主要債権国会議)に対する24億ドルの支払いで、5月末に支払期限を迎える。現在、アルゼンチンは新型コロナの感染拡大を理由に債務返済を中断している。
パリクラブは債務再編交渉の条件として、アルゼンチンの最大債権者であるIMFとの合意を挙げている。グスマン氏は23日にもワシントンを訪れ、IMFのゲオルギエバ専務理事との会談に臨む予定だ。ここで交渉が決裂して24億ドルの返済ができなかった場合、2カ月の猶予期間を経て、同国として10度目のデフォルト(債務不履行)となる。
交渉を複雑にするのが、アルゼンチンがIMFに返済猶予を求めると同時に、追加融資を要求している点だ。新型コロナの影響でアルゼンチン経済は大きく傷んでおり、外貨準備高は減少している。資本規制で通貨安を食い止めている状況で、IMFを含む国際機関からの融資抜きではたち行かなくなっている。
IMFのゲオルギエバゲオルギエバ専務理事は、2月、支援そのものには前向きな姿勢を示したものの、返済猶予や元本の削減については態度を明らかにしていない。