[ブエノスアイレス/ニューヨーク 14日 ロイター] – アルゼンチンのブエノスアイレス州は14日、同州が発行した2021年1月満期債について、今月26日に予定していた2億5000万ドル超の分割償還を5月1日まで延期するよう債権者に要請した。
リフィニティブのデータによると、これを受け、同債は3ポイント下落。過去1週間の下落幅は18ポイント近くに達した。下げはアルゼンチン国債にも波及している。
返済延期には債権者の75%の同意が必要になる。
アルゼンチン政府は、前政権から引き継いだ1000億ドルに上る債務の再編交渉を進める予定。一部の市場関係者は、交渉の行方を占う上で、ブエノスアイレス州債の扱いに注目している。
リフィニティブのデータによると、アルゼンチンの2028年1月満期国債は1.5ポイント下落。
ブエノスアイレス州政府の報道官は、債権者との交渉がすでに始まっているとした上で「具体的な答えはまだ出ていないが、州が厳しい状況にあることは理解されている」と述べた。
アマースト・ピアポント・セキュリティーズ(ニューヨーク)の中南米債戦略担当トップ、シボーン・モーデン氏は「国債と州債のクロス・デフォルトはないが、ブエノスアイレス州がデフォルトを強行すれば、資金繰りや秩序ある再編に対する懸念が浮上する」と述べた。
アルゼンチンのフェルナンデス大統領は13日夜、連邦政府がブエノスアイレス州を救済する計画はないと発言している。

投稿者 荒尾保一