[マドリード 5日 ロイター] – サッカーのスペイン1部、バルセロナは5日、同クラブの歴代最多得点者であるエースのアルゼンチン代表リオネル・メッシが退団すると発表した。
メッシは年俸50%カットなども受け入れ、バルセロナと新たに5年契約を結ぶことで合意に至ったと報じられていた。しかし、これを実現させるためには、クラブはリーグが定めるファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規約に抵触しないところまで選手の賃金に充てる支出を削減する必要があった。
バルセロナは声明で、「メッシと新契約で合意に至っていたものの、財政的、構造的な障害(リーグの規定)により実現できなかった。両者とも、最終的に選手とクラブの希望が叶わないことを深く残念に思っている」とコメント。「クラブの発展に貢献した同選手に心から感謝の意を表しつつ、これからの成功を祈っている」と続けた。
メッシは13歳でバルセロナのユースチームに入団。同クラブ一筋でいずれも歴代最多の公式戦778試合出場、672得点をマークした。10回のリーグ制覇、4回の欧州チャンピオンズリーグ優勝、3回のクラブ・ワールドカップ優勝など、クラブで計35個のタイトルを手にし、個人としては年間最優秀選手に与えられる「バロンドール」を6回受賞するなどしている。
このニュースに母国アルゼンチンには大きな衝撃が走り、国内の新聞は一面も裏面もメッシ退団のニュースで持ち切り。テレビやラジオでは契約解除の理由や去就についての議論がなされ、特派員がバルセロナの本拠地カンプ・ノウ周辺から生中継した番組もあった。これに加え、5日の報道の多くではメッシの輝かしいキャリアを振り返ったり、特番も組まれた。
【8月6日 AFP】サッカースペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)が5日、リオネル・メッシ(Lionel Messi)の退団を電撃発表したことを受け、同選手の母国アルゼンチンのメディアは、世界規模の「衝撃」だと報じている。
通算6度のバロンドール(Ballon d’Or)受賞を誇るメッシは、コパ・アメリカ(2021 Copa America)決勝で宿敵ブラジルを下し、アルゼンチンが27年間待ち焦がれた主要国際大会のタイトルを獲得する立役者となったが、それから1か月足らずで母国に衝撃を与えた。
アルゼンチンのスポーツ日刊紙「オーレ(Ole)」はツイッター(Twitter)で、「唯一無二で絶対的な比類なき伝説の終わり」と伝え、「サッカー界で最も美しいストーリーの一つが終わろうとしている。このような日がついにくるとは想像もしなかった」とした。
同国紙ナシオン(La Nacion)も、今回の「予想外の展開」は「サッカー界を揺るがす衝撃」だと報道。テレビ局TyCスポーツ(TyC Sports)は、「信じ難い」ニュースとツイートし、「サッカー界に永遠に刻まれた時代の終幕」とつづった。
すでにサッカー界ではどの金満クラブがメッシの次なる行き先になるか臆測が始まる中、アルゼンチンでは、大胆にも同選手の獲得を夢見るクラブが出てきている。
ツイッターでは「ウエルカム、レオ(メッシ)」のハッシュタグがトレンドになり、国内1部リーグの強豪ボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)をはじめ、リーベル・プレート(River Plate)、ニューウェルス・オールドボーイズ(Newell’s Old Boys)、サン・ロレンソ(San Lorenzo)のほか、下部クラブのユニホームを着たメッシの画像が冗談で作られている。
だがアルゼンチンは現在不況に見舞われており、仮にメッシが帰還すれば、さらに驚きの出来事となるだろう。
一方、日刊紙クラリン(Clarin)は、34歳のメッシの現実的な移籍先として、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)を挙げている。
同紙はキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)やネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)らスター選手を擁するPSGが「最有力候補になっている」とし、「地球規模の衝撃…。PSGが彼の新しいクラブになるだろう」と報じた。(c)AFP
投稿者荒尾保一