[ニューヨーク 8日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)のアレハンドロ・ウェルネル西半球局長は8日、アルゼンチンの連立政権はIMFとの交渉や経済政策を巡って内部で対立しているようだと述べた。

債務450億ドルの借り換えに向けIMFと交渉を進めているアルゼンチンについて、新たな合意の鍵となる持続可能な借り入れに向けた経済政策に大きな不透明感があると指摘した。

S&Pグローバル主催のオンラインイベントで「いかなる再編でも常に少なくとも2段階がある。一つは債務の契約条件をどのように変更するかであり、もう一つは新たな債務を持続可能にするためにいかに政策を変更するかだ。私は2番目の段階で不透明感が大きいと考えている」と述べた。

アルゼンチンは新型コロナウイルス流行で長期にわたるリセッション(景気後退)が悪化する中、2018年のIMFとの合意に置き換わる新たな合意と返済の先送りを求めている。

交渉は今年上半期の合意が目標とされていたが、アルゼンチン政権内で反対の動きが出たことから停滞。多くの投資家は、10月の中間選挙の後にならなければ合意を得られないと見込んでいる。

ウェルネル局長は「政策内容やIMFとの交渉を巡る方向性で連立政権内に意見の著しい相違があるようだ」と指摘。合意に向けた努力を続けるとしつつ、「交渉が思っていたよりも時間がかかっていることは明らかだ」と述べた。

投稿者 荒尾保一