アルゼンチン政府は1日、約650億ドルの債務再編を巡る債権者との交渉期限を6月12日まで延長すると発表した。交渉期限は2日に設定されていた。
グスマン経済相は「再編案の最終調整に取り組んでいるが、調整の余地は少ない」と指摘し、修正後、最終合意をまとめる時間を確保するために交渉期限を再び延長する考えを示した。


一方、国際通貨基金(IMF)は1日、直近の再編案はアルゼンチンによる持続可能な債務管理を可能にするとして支持を表明し、「民間債権者への支払いを増やすと同時に債務および債務返済の目標を達成するための余地は限られている」とした。
資産運用大手ブラックロックなどで構成する債権者グループは文書で、アルゼンチン政府が意見の隔たりを埋める役割を果たすべきだと主張。
アルゼンチンによる2001年のデフォルト(債務不履行)に関連して再編された債務を保有する別の債権者グループの法務アドバイザーは、「債券保有者はアルゼンチンに持続可能な提案をするためにかなりの柔軟性を示してきた」と強調。「残る意見の隔たりを真に解消したいとアルゼンチンが態度で示すかどうかが鍵となる」とした。
債権者側は額面1ドルに対し0.50ドル以上が支払われる内容の合意を求めているが、政府の提案では、約0.45ドルにとどまるとのことである。

投稿者 荒尾保一