ロイターの報道によると、 アルゼンチン債を保有する外国人投資家で構成するアルゼンチン債権者委員会(ACC)は、同国政府が提案した債務再編案の受け入れを拒否し、同国政府との本格的な交渉を求めた。
アルゼンチンのグスマン経済相は先週、債務再編案の概要を発表。金利減免などの形で約415億ドルの負担軽減を求めた。
ACCは、この債務再編案を支持することはできないと表明。持続可能な解決策をまとめるには、具体的で実行可能な経済政策に基づいた先を見据えた経済・金融情報の交換が必要だと主張している。
ACCは「アルゼンチン側に債券保有者と誠実な交渉に臨む用意があれば、アルゼンチン債務危機の持続的な解決は可能だ」と指摘。

構造改革など経済政策の効果が表れるまでの期間は、幅広い債権者がキャッシュフローの大幅な減免を通じて公平な貢献を行う用意があると考えていると表明した。
ACCには、新興国投資を専門に手掛けるグレイロック・キャピタルのほか、投資信託、富裕層一族の資産運用を担うファミリーオフィス、保険会社、資産運用会社などが参加しているが、アルゼンチン債の保有総額は明らかにしていない。
今回の債務再編案では、全体の平均利率が2.33%に低下し、利払い負担は現在の62%に相当する約379億ドルが軽減される。また元本は総額の5.4%の約36億ドルを削減する。
グスマン氏は会見で、政府と債権者側の間ではまだ債務返済の持続可能性を巡る「了解」が成立していないと説明している。

投稿者 荒尾保一