ロイターの報道によると、 アルゼンチン政府との債務再編交渉を進めている主要債権団は、28日、従来よりも「好条件」の新提案を提示したと発表した。
声明を発表したのは「アドホック債権者グループ」。別の債権団「エクスチェンジ債権者グループ」とともに新提案を提示した。9年間にわたって約360億ドルの返済を免除する内容という。
アドホック債権者グループには、ブラックロック、アライアンス・バーンスタイン、アシュモアなどが参加している。
同グループは「(今回の新提案は)最大の債権者集団が支持しており、従来の提案よりもアルゼンチンにとって好条件になっている」と表明。「今回の共同提案は、政府が表明したマクロ・財政目標を達成するために設計した誠意あるものだ」と説明した。 具体的な提案内容は明らかにしなかった。

一方、ブルームバーグの伝えるところによると、アルゼンチン政府は、28日、新たな債務再編案を明らかにした。支払い猶予期間を2年に短縮し、元本返済を5年程度先送りすることが柱となっている。
経済省の声明によると、この修正案ではアルゼンチンは2022年まで利払いを実施しない。当初の案では利払いを3年間遅らせる内容だった。今回の提案には25年5月の元本返済開始も盛り込まれた。
アルゼンチン史上9回目のデフォルト(債務不履行)を受け、フェルナンデス政権は23日に主要債権団との交渉を開始。その後、合意期限を6月2日まで延長した。
グスマン経済相は、上述の2つの主要債権団の共同提案について、従来の提案に比べると適切な方向だが、「アルゼンチンのニーズには足りず、不十分だ」と述た。

投稿者 荒尾保一