【らぷらた報知5月14日付】第1回日系団体オンライン会議が5月2日、在亜日系団体連合会(FANA)が主催し、各日系団体の代表者が参加した。これまで日系団体では、Covid―19の症例の報告を受けていない。しかし、どの団体も「オンライン」の日本語クラスを除き、ほぼ収入が無く「困難な経済状況」である事が示されるなど、コロナショックの具体的な影響が、代表者のオンライン会議で明らかにされた。
会議には、アルゼンチン全国から27の日系団体の代表が集まり、また古川義一総領事をはじめチノヤスシ大使館秘書、村田俊一アルゼンチンJICA代表、FANA理事会から米須清文会長、上原フェルナンド副会長、司会を務めた外間リカルド幹事らが出席した。
米須会長は会議の冒頭で、「日系コミュニティ各団体がどのようにパンデミックを過ごしているか、耳を傾け知ることを趣旨とし本会を開催いたしました」と述べた。
最初にコルドバ州の日系団体代表者が「これまでのところ、新型コロナの感染を受けた日系人はいませんが、経済的には良い状態では無い」と述べた。この団体は、3カ所の不動産を管理しており、唯一の収入はオンライン授業を行う日本語教室だけだと説明した。
一方、この状況に、ロサリオ日本人会では、AFIP(アルゼンチン歳入庁)を通じて職員の給与の一部を支払っていると報告。ブエノスアイレス市のクラブも例外ではない。
アカスソ日本人会ではCovid―19に感染した会員はおらず、この地域では日系人の症例は連絡ありませんと報告。経済的影響が懸念されており、オンラインにより維持された活動は、土曜日や大人向けの日本語教室。また、オンラインの太鼓の会合を組織することも考えていると宮城ガブリエル代表は語った。
「現在を取り巻く状況は非常に困難です。日本語教室を除いて、全てが中断されており、実質的に収入はありません」と生垣彬日本人会会長。
経済的義務を果たすため、例えば西武日本人会は、会員が前もって会費を支払うことが提案された。
ブルザコの我覇マサテル代表は、「特に皆さんと共に楽しむ時間を奪われた高齢者、パンデミックによる人との疎遠に慣れていないのではないか」が指摘しているように、外出自粛とそれに伴うすべてが影響を与えている。また他の社会活動と同様に、クラブは各スポーツ大会(サッカー、卓球)、芸術祭、バザー等が少なくとも9月まで活動が中止されていますと語った。
またフローレンシオバラ日本人会のように、緊急事態に衛生設備を自治体に協力している件もある。この最初の会議の後、FANAは日系コミュニティの状況レポートを作成し、これにより日系団体が提供できる種類の分析を行い、これからオンライン会議を続行することが決定された。
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【参加者】この第1回オンライン会議に参加した代表者は、次の通り。アカスソ日本人会=宮城ガブリレル、亜国日本人会=生垣彬、ブルザコ日本人=我覇マサテル、コルドバ州日本人会=上原ホルヘ、コリンテス日本人会=新藤ルーカス、エスコバル日本人会=吉宮ディエゴ、ロサリオ日本人会=渡久地アレハンドロ、サンタフェ日本人会=カルロス・カキス、サルミエント日本人会=宇都宮テレサ、西武日本人会=増田ステラ、フロレンシオバレラ日本人会=上原フェルナンド、トゥクマン日本人会=上原マウリシオ、AACONI=佐藤ソニア、アルトパラナ日本人会=鎌田ラウル、亜拓=文野和義、日本語文化と言語センター-教連と日亜学院=島津アレハンドロ、在アルゼンチン沖縄連合県人会=金城ラファエル、オベラ中央地区日本人会=カルロス・カイリヤマ。コロニアウルキサラプラタ日本人会=宮脇ツヨシ、教連婦人部=一色田仁志、愛知県人会=村瀬ビクター、鹿児島県人会=黒木アストリッド、ニッカイ共済会=坂田パウロ、日亜莊=高島英明、REN=外間リカルド、チャコ日本人会=エミリオ・セキ
投稿者 荒尾保一