毎日新聞の報道によると、茨城県境町は14日、アルゼンチンオリンピック委員会に特注品の高機能マスク2500枚を贈った。町はアルゼンチンと80年以上交流を続け、東京オリンピック・パラリンピックで同国のホストタウンに登録。マスクは感染症予防に選手が使用する予定で、一足早いおもてなしになりそうだ。
東京都港区のアルゼンチン大使館で同日、贈呈式があり、橋本正裕町長がアラン・ベロー特命全権大使にマスクの入った箱を手渡した。同国で23の競技団体に配分される。
ベロー大使は9月に境町を訪れ、同国ゆかりの「モンテネグロ会館」落成式に出席したばかり。「私たちの友情の表れ。アスリートのために寄付をいただき、町を挙げてのご支援に感謝します」と謝辞を述べた。
境町ではホッケーなどの事前キャンプが予定されている。同国はホッケーの強豪で、男子チームはリオ五輪で金メダルを獲得。橋本町長は「ぜひ万全の体制で参加してほしい」とあいさつした。
境町と同国の縁は1853年、ペリー提督率いる米艦隊の浦賀来航にさかのぼる。町によると、幕府側で記録を担当した関宿藩士の野本作次郎が上小橋村(現在の境町)出身。作次郎が艦隊のアルゼンチン人船員と知り合いになり、1935年には船員の孫のモンテネグロ臨時代理公使が長田村(現在の境町)を訪問、交流が始まった。
1937年には代理公使の資金援助で研修所「モンテネグロ会館」を建設。老朽化してからも町が建て替え、カフェとして営業している。
投稿者 荒尾保一