(ロイター)

[ロンドン 25日 ロイター] – 新興国市場に特化している英資産運用会社アッシュモア・グループ(ASHM.L)は25日、アルゼンチンの債務危機について、市場が織り込んでいるほど深刻ではないとの見方を示した。

アルゼンチンでは来月実施される大統領選挙の予備選で、左派の野党候補アルベルト・フェルナンデス氏が、市場寄りの現職マクリ大統領に圧勝。市場では債務不履行(デフォルト)に対する懸念が浮上している。

アッシュモアは、フェルナンデス氏が市場の予想ほど大胆な債務再編を行わないとみて、アルゼンチンのドル建て債を購入している

同社のリサーチ部門責任者、ジャン・デーン氏は「フェルナンデス氏が大統領就任後にどのような政策を打ち出すか不透明感が高まっており、ファンダメンタルズ面の見通しは悪化している。だが、今の債券市場はフェルナンデス氏が打ち出す可能性のある政策のうち、極端なものを想定している」と指摘。

「私は、正義党(ペロン党)がフェルナンデス氏の下で、現在の市場の予想より穏健になるとみている」と述べた。

同氏は、フェルナンデス政権が2000年代初めのネストル・キルチネル政権の最初2年間の政策運営を参考にする可能性があると分析。当時、同国の実質経済成長率は年8.8%で、国際通貨基金(IMF)のプログラムを順守していた。フェルナンデス氏はキルチネル政権で首相を務めていた。

     投稿者 荒尾保一