アルゼンチンを訪問中の茂木敏充外務大臣は、現地時間1月7日午前11時50分(日本時間7日午後11時50分)から45分間、フェルナンデス大統領(H.E. Mr. Alberto Fernández, President of the Argentine Republic)を表敬するとともに、同日午後1時(日本時間8日午前1時)から2時間10分にわたり、ソラー外務・通商・宗務大臣(H.E. Mr. Felipe Carlos Solá, Minister of Foreign Affairs,International Trade and Worship of the Argentine Republic)との間で会談を行いました。また、これらの表敬・会談に先立ち同日午前10時30分(日本時間7日午後10時30分)から20分間、在アルゼンチン日系人との懇談を行いました。それぞれの会談等の概要は以下のとおりです。
今回の茂木大臣のアルゼンチン訪問では、一昨年12月の発足以降、新たな政策を進める新政権との間で、基本的価値の共有、G20等国際場裡での連携、貿易投資関係の発展、伝統的な日系人の絆等、様々な点から戦略的パートナーの関係にあるアルゼンチンと、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化や、経済を始めとする様々な分野での二国間関係の強化につき、引き続き連携していくことを確認しました。
1 茂木大臣によるフェルナンデス大統領表敬(カフィエロ内閣官房長官、ソラー外務大臣及びハント次期駐日大使同席)
(1)冒頭、茂木大臣から、両国新政権下での初の要人往来であり、受入れに感謝する、日本は、基本的価値を共有する戦略的パートナーであるアルゼンチンとの間で、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け連携を強化したい旨述べました。これに対し、フェルナンデス大統領から、歓迎の意が表明され、この訪問を契機に戦略的な二国間関係や国際社会での連携を一層強化していきたい旨述べました。
(2)茂木大臣から、日系社会を通じた両国の絆に触れつつ、コロナ禍の下でも日系企業の新規投資が実施されており、ビジネス環境の整備を進めて頂きたい、東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪・関西万博等を通じ、スポーツ・文化協力を推進したい旨述べました。これに対し、フェルナンデス大統領から、日系人の絆、二国間及び国際場裡での緊密な連携、日本との経済関係の重要性に言及があり、積極的に取組んでいきたいとの発言がありました。
(3)また、茂木大臣から、日本の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の取組について紹介した上で、東シナ海や南シナ海、さらに北朝鮮の情勢について説明し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の実現に向けて、戦略的パートナーとして協力していくことで一致しました。また、茂木大臣から、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を要請し、フェルナンデス大統領から支持を得ました。
2 ソラー外務大臣との会談
(1)冒頭、茂木大臣から、アルゼンチンによるコロナ禍の下での初の外国閣僚受入れに感謝する、戦略的パートナーとして二国間及びG20を始めとする国際場裡での連携を強化したい旨述べました。これに対し、ソラー大臣から、来訪を歓迎するとともに、重要なパートナーである日本との関係を一層発展させていきたい旨述べました。
(2)茂木大臣から、「架け橋」として両国を繋いできている日系社会を通じた絆に言及しつつ、日系進出企業数が4年間で倍増する等、経済関係は拡大・深化しており、法的枠組みの整備を含むビジネス環境の整備に向け協力したい、現在実施中の5億円の保健・医療体制強化支援を含む新型コロナ対策、ICT・デジタル経済、脱炭素社会に向けた取組等様々な分野において、引き続き協力・連携していきたい旨述べました。これに対し、ソラー大臣は、日本の協力に感謝するとともに、日本との連携をより深めていきたい、またアルゼンチン経済において日本企業は重要な役割を果たしており、経済関係をさらに強化すべく引き続き取り組んでいきたい旨述べました。
(3)両大臣は、新型コロナ対策、WTO等の国際的課題について連携を強化していくことを確認すると共に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組や、アジア情勢、米国でのバイデン新政権発足を含む米州情勢について意見交換を行い、大統領表敬でも確認されたとおり、戦略的パートナーとして法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の実現に向けて協力していくことで、重ねて一致しました。
3 茂木外務大臣と在アルゼンチン日系人との懇談
(1)茂木大臣は、日系社会の代表と懇談し、新型コロナ拡大の中、日系人の皆様が、感染対策関連物資の提供などで、地元社会に貢献されたことを日本人として誇りに思う、日系人団体が運営する医療・福祉施設や日系人団体が行う感染拡大防止等の事業への支援を決定した、日アルゼンチン間の「架け橋」となっている日系人の方々を引き続き支援し、アルゼンチンの発展にも貢献したい旨述べました。
(2)出席した日系人からは、茂木大臣による外務大臣としての初の訪問を歓迎する、コロナ対策における日本政府の支援に感謝するとともに、引き続き日系社会として日本と連携してアルゼンチン社会に貢献していく旨述べました。
投稿者 荒尾保一