(NHK)
経済の混乱が続く南米のアルゼンチンでは、7月の消費者物価指数が前の年の同じ月に比べて70%余り上昇し、市民の間では急激なインフレに対する不満が高まっています。
アルゼンチンの統計局は11日、7月の消費者物価指数が去年の同じ月に比べて71%上昇したと発表しました。
6月の64%から伸び率はさらに拡大した形です。
これは1992年1月以来、30年半ぶりの水準で、アメリカの利上げの影響で自国通貨ペソの下落が進み、輸入品の価格が押し上げられたことなどが要因です。
首都ブエノスアイレスでは市民の間で急激なインフレに対する不満が高まっていて、連日行われている大規模なデモでは、政府に対する最低賃金や年金の引き上げなどの要求が強まっています。
また、通貨ペソのさらなる下落を警戒し、両替店ではペソを売ってアメリカのドルを購入する多くの人の姿もみられます。
こうした中、アルゼンチンの中央銀行は11日、政策金利を9.5%引き上げて69.5%にすると発表し、大幅な利上げによって記録的なインフレへの対応を急ぐ姿勢を示しました。
アルゼンチンでは7月からの1か月間に経済相が2度も交代するなど政権内部の混乱も続いていて、経済の先行きに対する不透明感が増しています。
投稿者 荒尾保一