ブルーンバーグの報道によると、ノーベル経済学賞受賞者で、コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏は21日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開かれているスイスのダボスでインタビューに応じ、「大幅なヘアカットは避けられないというのが現実だ」と言明。「大幅なヘアカットを迫られることを示さない分析モデルがあるとは考えられない。そんなものがあると考えるのは空想だ」と述べ、アルゼンチン債への投資家に、多額の損失に備えるよう警告したとのことである。

スティグリッツ氏のこうした発言には重みがある。アルゼンチンの債務再交渉を率いるグスマン経済相は、コロンビア大学の研究員時代にスティグリッツ氏の指導を受けた。両氏はまた、数多くの論文も共同で手掛けている。グスマン氏が経済相に指名された際には、スティグリッツ氏は論説でグスマン氏を高く評価した。
アルゼンチンには経済成長のための時間が必要だと、スティグリッツ氏は指摘。「逆の方向に進んだ場合に何が起きるかは分かっている」ためだと説明した。また、投資家はアルゼンチン債を購入し極めて高いリターンという見返りを得る上で、どういった状況に自らを置くことになるのか理解しておくべきだったと語った。
投稿者 荒尾保一