ブルーンバーグの報ずるところによると、ブエノスアイレス州のキシロフ知事は州都ラプラタで記者団に対し、返済期限の到来するアルゼンチン州債のデフォルト(債務不履行)を回避するため、2億5000万ドル(約274億円)の債券の元本支払いに応じると発表した。数日前には、支払延期に投資家の十分な支持を取り付けることができず、必要な資金がないと表明したばかりだったため、投資家にとって今回の発表は予想外だった。

キシロフ知事は、この資金を州政府の財源から資金を捻出すると説明。この支払い完了後、アルゼンチン中央政府と歩調を合わせ、外貨建て債務の再編手続きを開始するという。

アルベルト・フェルナンデス大統領およびグスマン経済相は、民間の債権者と国際通貨基金(IMF)に債務再編の交渉を行っているが、元経済相でもあるキシロフ知事が債権者をどう扱うかは最初の試金石になるとみられていた。

この発表後、アルゼンチン国債は急騰。米国債とのスプレッドは一時100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小し、1904bpとなった。

投稿者 荒尾保一