[ブルームバーグ 6日] – アルゼンチンのミレイ次期大統領は、ルイス・カプト次期経済相の盟友であるサンティアゴ・バウシリ氏を中央銀行総裁候補に抜てきした。ミレイ氏はペソ建て債務問題の解決を図り、通貨管理を解除することを目指しており、将来的にペソに代わる通貨としてドルを導入する可能性もある。
ミレイ氏のスポークスマンが5日、バウシリ氏起用を確認した。この人事には上院の承認が必要だが、実現すれば、カプト氏が緊縮財政とインフレ抑制に向けて構築している経済チームの能力が強化されることになる。
ミレイ氏は中銀の廃止や経済のドル化など一連の急進的政策を掲げ、大統領に当選。しかし、経済チームに関する選択からは、同氏が「ショック療法」と称する財政調整プログラムを優先させる方針がうかがえる。中銀を廃止し、ドルを採用する計画は先送りされる可能性がある。
バウシリ氏(49)は2016年、アルゼンチンの債務再編案の受け入れを拒否していた債券保有者との交渉に参加。この合意により、アルゼンチンは国際資本市場への復帰を果たした。19年には国際通貨基金(IMF)との交渉を担当するチームを統括していた。
サン・アンドレス大学で学位を取得したエコノミストのバウシリ氏は、JPモルガン・チェースやドイツ銀行に勤務した経験を持つ。最近は、カプト氏率いるコンサルティング会社アンカー・ラティノアメリカに勤務している。
投稿者 宍戸和郎