[ブルームバーグ 22日] – 南米アルゼンチンのミレイ大統領は、同国経済をドル化するとの選挙公約を再確認し、経済を巡る政権の青写真をこれまでで最も明確に示した。

ミレイ大統領は、中央銀行のバランスシートについて負債圧縮や金融システム改革で整理した後、アルゼンチンは通貨の自由競争に向かうだろうと述べた。アルゼンチン・ペソと米ドルがいずれも法定通貨になることを意味することになり、その時点でペソは「柔軟な」為替レートで設定される。

そうなれば中銀はペソを刷るのをやめ、ミレイ氏が支配的な通貨になると予想しているドルがペソに取って代わることになる。金融当局はペソを厳しく管理しており、毎月2%の下落しか許容していないが、月次のインフレ率はその4倍に達している。

ミレイ大統領はブエノスアイレスで21日夜に開かれたビジネスイベントで基調講演に臨み、「ペソは博物館の展示品のようになり、希少価値が高まったとき、われわれはどうするだろうか」と問いかけ、「われわれはドル化し、そうなればペソはなくなるだろう」と語った。

高インフレを抑え込み、経済をドル化するという公約を掲げたミレイ氏は昨年12月10日の大統領就任以降、中銀廃止を最終目標に金融当局の負債圧縮に向けて迅速に動いてきた。また、ミレイ政権下で6回の利下げがすでに実施され、大統領就任時に133%だった政策金利は先週、40%まで引き下げられた。

カプト経済相率いるミレイ政権の経済チームは、アルゼンチン中銀の膨れ上がった債務を整理するため、中銀債よりも国債をより魅力的なものにしようと動いている。

投稿者 宍戸和郎