[ブエノスアイレス 25日 ロイター] – サッカー界のレジェンドで、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ氏が25日、心不全のためブエノスアイレス郊外の自宅で死去した。60歳だった。数週間前に硬膜下血腫の緊急手術を受けていた。
ワールドカップには1982年スペイン大会から4大会連続で出場。86年メキシコ大会でアルゼンチンを2回目の優勝に導いた。「神の手ゴール」や「5人抜きゴール」など伝説的なプレーも残した。
アルゼンチンのフェルナンデス大統領はマラドーナ氏の死去を受け、全国で3日間の服喪を宣言。ツイッターで「あなたは私たちを世界一高いところまで連れて行き、私たちを計り知れないほど幸せにしてくれた。あなたは最高の存在だった。私たちと一緒にいてくれてありがとう」と記した。
元ブラジル代表のペレ氏(80)は短い声明で「いつの日か空の上で一緒にボールを蹴ろう」と述べた。
【サンパウロ時事】25日に心不全のため60歳で死去したサッカー元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナさんの告別式が26日、首都ブエノスアイレス中心部にある大統領府で営まれ、大統領府によると数十万人が祖国の英雄に感謝と哀悼をささげた。遺体は同日夕、親族が眠る近郊の墓地に運ばれ、近親者や友人らが見守る中で埋葬された。
一般向けの告別は早朝6時すぎに始まった。長蛇の列をつくった市民は、安置されたひつぎの前で立ち止まり、多くは涙を流してスーパースターとの別れを惜しんだ。待ちくたびれていら立った市民が警官隊と衝突する場面もあった。弔問を終えた男性は地元テレビのインタビューで「ディエゴのような人は今後出てくることはない」と断言。別の男性は「彼は貧しい家庭の生まれで謙虚だった。われわれは彼を忘れない」と語った。
告別式にはフェルナンデス大統領ら要人も参列した。大統領は民衆に寄り添って闘う勇士への愛情を表現するという白スカーフをひつぎに載せた。1986年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会の優勝メンバーらサッカー関係者は、一般弔問に先立って盟友の旅立ちを見送った。
大統領府から数十キロ離れた墓地までの幹線道路の脇はファンで埋め尽くされ、毀誉褒貶(きよほうへん)の激しかったマラドーナさんが如何にアルゼンチン人にいかに愛されていたかを物語っていた。
投稿者 荒尾保一