アルゼンチンで、世論を二分して論争が続いてきた妊娠14週までの人工中絶を合法とする法案が、30日、上院を通過し、可決、成立した。女性の権利を求める市民の要求に応えたものだが、保守的なカトリック教徒からの反発は根強い。

カトリック教徒が多い中南米ではほとんどの国で人工中絶を原則として禁じており、違法な手術で命を落とす女性も多かった。2019年12月に、フェルナンデス政権が発足したことで推進派が勢いを増していた。フェルナンデス氏はツイッターに「今日、我々は女性の権利を拡大し、公衆衛生を保証するより良い社会にいる」と投稿した。

 フランシスコ教皇は「すべての見捨てられた子は神の子だ」とツイッターに投稿し、反対の意を表明した。議会の周辺では反対派と賛成派がそれぞれデモを開催、政治的な緊張感が高まる可能性もある。

 投稿者 荒尾保一
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