[ロイター 10日] – アルゼンチン通貨ペソの下落に歯止めがかからず、10日の非公式レートは一時1ドル=1050ペソと、1000ペソの大台を超えて売り込まれた。現在の公定レートの350ペソとは200%もの開きが生まれた。

その後、中央銀行が約2億2000万ドルの外貨準備を売却したため、ペソ安の勢いはやや弱まった。今回の為替介入規模は8月終盤以降で最大とされる。

ペソ安の背景にあるのは、22日に投開票される大統領選で主要候補3人のうちリバタリアン(自由至上主義者)のミレイ下院議員が最も優位に立っていることだ。

8月13日の予備選で得票率がトップとなったミレイ氏は中央銀行の廃止と、急激なインフレ抑制のための経済のドル化を訴え、最近では国民に対してペソ建て預金を更新しないよう提言している。

8月13日以降、ペソの価格は44%も下がった。

ある銀行関係者は、誰もペソで取引したがっておらず、大統領選挙前に資産をドルにして、結果を見極めようとしていると指摘した。

投稿者 宍戸和郎