[時事 21日] – 南米アルゼンチンのミレイ大統領と、旧宗主国スペインのサンチェス首相が非難の応酬を繰り広げている。ミレイ氏は、サンチェス氏のベゴーニャ・ゴメス夫人が「不正」を働いたなどと主張。サンチェス氏は20日、「侮辱と中傷」を受けたとして、発言の訂正を要求した。お互いに引く気配はなく、対立はさらにエスカレートする可能性もある。

両国はもともと結び付きが強いが、左派のサンチェス氏は昨年のアルゼンチン大統領選挙で右派のミレイ氏の対立候補を支持。AFP通信によると、ミレイ氏が勝利後も連絡を取らず、ぎくしゃくした関係になった。

ミレイ氏は19日、スペインの首都マドリードで開かれた極右勢力の政治集会にゲスト参加。「不正を働く妻がいると、5日かけて(辞任するかどうかを)検討しなければならない」とやゆした。サンチェス氏は4月下旬、夫人の不正疑惑を受けて公務をキャンセル。潔白を訴えつつも、5日間の熟慮の末に続投を表明したばかりだ。

ミレイ氏は、サンチェス氏を念頭に「社会主義の理念を実行に移すことがいかに破壊的か、エリートには分からない」とも発言。サンチェス氏は、外交には相手国への「敬意が不可欠だ」とした上で、ミレイ氏はそれを欠いていると批判した。

ミレイ氏はスペイン訪問中、フェリペ国王やサンチェス氏との面会を拒否したとされる。そうした「外交儀礼破り」(ロイター通信)もスペインは問題視。駐アルゼンチン大使の召還を決めた。

今月上旬には、スペインの閣僚がミレイ氏の薬物摂取疑惑を示唆。猛反発したアルゼンチンがサンチェス政権は「貧困と死」をスペインにもたらしているとやり返す一幕があった。スペインのアルバレス外相は、両国関係は「近年で最も深刻」な事態に直面していると警告した。

投稿者 宍戸和郎