[コインテレグラフジャパン 14日] – アルゼンチンでビットコイン(BTC)先物契約の取引が始まる。同国の証券監督機関が戦略イノベーションアジェンダの一環として基礎となる指数を承認してからわずか3ヶ月後のことだ。

投資商品を提供する取引プラットフォームのマトバ・ロフェックスによれば、これはラテンアメリカ初のビットコイン先物契約になる。先物契約では、買い手がビットコインなどの商品や他の資産の未来の価格に賭ける。契約により、買い手と売り手は、事前に決められた未来の日付で資産を購入、販売する義務がある。

アルゼンチンの証券監督機関である国家金融委員会(CNV)は、新しい金融商品のためのイノベーションアジェンダの一部として、4月にビットコイン先物指数を承認した。ビットコイン先物契約は、BTC/ARS取引ペアを提供する複数の市場参加者によって引用されるBTCの価格に基づく。全ての取引はアルゼンチンペソ(ARS)で決済され、トレーダーは銀行振込を通じて預金を行う必要がある。

地元メディアの報道によれば、この商品はまずは機関投資家だけに提供される。先物指数により、認定投資家は透明性があり、規制された環境でBTCにエクスポージャーを得ることができる。

アルゼンチン人は、国内のハイパーインフレに対応するためにビットコインに頼ってきた。トレーディングエコノミクスによれば、アルゼンチンの年間インフレ率は5月に114%に急騰し、2023年4月の108%から大幅に上昇し、1991年以来の最高水準を記録した。

ブラジルでも、地元証券取引所B3による同様の投資商品が規制当局によって審査中となっている。ブラジルでも承認されれば、ラテンアメリカでもう1つのビットコイン先物契約が利用可能になるはずだ。当初は6月30日にデビュー予定だった暗号資産先物契約は、現在は9月30日に公開予定だ。

ビットコイン先物プレミアムは7月4日に18ヶ月ぶりに最高水準に達し、前週から3.2%上昇した。BTCデリバティブ商品の需要が急増する中、トレーダーは市場が「過度の興奮」を経験しているのか、長期的な弱気市場後に正常に戻っているのか疑問を持っている。

投稿者 宍戸和郎