アルゼンチン政府と国際通貨基金(IMF)は、3日、450億ドル(5兆1800億円)の債務の再編で合意した。返済開始は2026年になり、34年に完了する計画だ。今後は議会での承認をめざすが、議会内には反対の声も根強くあるため、議論に時間がかかる可能性もある。

アルゼンチン議会を通過後には、IMF理事会での承認が必要となる。

今回の協議で、アルゼンチン政府が電気やガスに対し拠出している110億ドル規模の補助金富裕層を対象から外すなどして支出を抑えていく見通しだ。

アルゼンチン政府は財政赤字について、22年は国内総生産(GDP)比で2.5%、23年は1.9%、24年は0.9%をめざす。インフレ抑制や実質金利をプラスすることにも対応を進めていく。IMFは合意について「実用的で、現実的な計画だ」と指摘している。

下院与党会派の会長だったマキシモ・キルチネル議員は1月末、IMFとの基本合意に抗議して会長職を辞任した。同氏の母親はクリスティナ・フェルナンデス副大統領で、現実路線のアルベルト・フェルナンデス大統領とは距離がある。与党内の強硬派や野党の説得には時間がかかる可能性がある。

投稿者 荒尾保一