[ロイター 23日] – アルゼンチンの外貨建てソブリン債と有力企業の株価が23日急落した。前日行われた大統領選で、与党連合の中道左派セルヒオ・マサ経済相が予想外に躍進して首位に立つとともに、11月19日の決選投票にもつれ込むことになった結果が嫌気された。

決選投票にはマサ氏と、得票率2位だった小さな政府を志向するリバタリアン(自由至上主義者)のハビエル・ミレイ下院議員の2人が進むことが決まった。

KNGセキュリティーズの新興国市場ストラテジスト、ブルーノ・ジェナッリ氏は、投資家はミレイ氏が決選投票に行くとは想定していたが、マサ氏の強さが資産価格にマイナスの影響を及ぼしたと指摘。その理由として、市場重視の政策を掲げていた野党連合のパトリシア・ブルリッチ元治安相があおりを受けて選挙戦から脱落してしまった点を挙げた。

一方RBCブルーベイ・アセット・マネジメントの新興国市場ソブリン債ストラテジスト、グラハム・ストック氏は、決選投票でマサ氏とミレイ氏いずれが勝ってもその後の不確実性が高まると懸念を示した。マサ氏の政権になれば、与党連合内のどの勢力が主導権を握るのか読みづらくなるし、ミレイ氏は果たして過激な経済・社会政策をどこまで実現できるのかが分からないという。

投稿者 宍戸和郎