[ロイター 23日] – 22日投開票のアルゼンチン大統領選で与党連合の中道左派マサ経済相が予想外に首位になったことを受けて、アナリストは市場の懸念が和らぐのではないかと指摘している。
開票率約80%の段階でマサ氏の得票率は約36%。経済のドル化や中央銀行の廃止を公約に掲げるリバタリアン(自由至上主義者)のミレイ氏は約30%。両氏が来月19日の決選投票に進む見通しとなった。
市場関係者は、ミレイ氏が圧勝するとの見方が後退し、通貨ペソの突然の切り下げや近い将来のペソ廃止に対する懸念が和らぐと予想。
アナリストのサルバドール・ビエリ氏は「ドルへの資金逃避が減るのではないか。多くの市場では無秩序なドル化が織り込まれ始めていた。このため、ドルがやや下落する可能性がある」と述べた。
別の市場関係者も匿名を条件に「マサ氏の勝利でアルゼンチン資産が売り込まれることはないだろう」との見方を示した。
一方、ファンドコープのロベルト・ゲレット氏は、企業の間で人気の高かった野党連合の中道右派ブルリッチ元治安相が決選投票に進めなかったことは悪材料だと指摘。過半数票を確保した候補はおらず、不透明感が続くと予想した。
投稿者 宍戸和郎