[ブエノスアイレス 18日 ロイター] – アルゼンチンのセルヒオ・マサ新経済相は18日、シンクタンクのイベントで講演し、同国にとっては外貨準備拡充が喫緊の課題だとの認識を強調した。外国債権団からの債券買い戻しの新たな枠組みや、農業界首脳との穀物輸出協議の進展などで、同国に必要な外貨準備の構築が可能になるとの考えを示した。

フェルナンデス大統領は7月下旬に連立与党議員のマサ氏を経済相に任命した。物価高騰による経済の大幅な悪化で国民の抗議デモが拡大する中、経済相が1カ月足らずの間に2人も辞任。3人目としてマサ氏が起用された。IMFとアルゼンチンの債務合意は、債務返済に一定の猶予を与える条件として同国が満たすべき外貨準備の目標を設けている。

マサ氏は「われわれは3つの(債務)買い戻しメカニズム合意に向けて交渉中だ」と語り、アジアと欧州、米国の銀行団がこの協議に参加し、幾つかの申し出も提示されたと表明した。アルゼンチン政府として提案を一体化した上で債務買い戻しを実施し、その後の外貨準備の強化につなげたいとも語った。

農業界首脳との協議については、マサ氏は穀物輸出が加速すれば中央銀行により多くの外貨をもたらせるとの期待を表明した。

アルゼンチンの駐米大使によると、マサ氏は9月上旬に初外遊としてワシントンを訪問する予定。国際通貨基金(IMF)で金融関係者と面会するほか、米財務省やホワイトハウスの高官やプライベートバンク幹部とも会うという。

投稿者荒尾保一