[ブエノスアイレス 14日 ロイター] – アルゼンチンで議会中間選挙が14日行われ、暫定開票結果によると、中道左派のフェルナンデス大統領の与党、正義党(ペロン党)が大敗した。同党は上院で約40年ぶりに過半数を失うことが確実となった。

選挙は下院の半数、上院の3分の1の議席を争った。50%を上回るインフレ率と高い貧困率が新型コロナウイルスの流行で一段と悪化している問題が選挙戦の焦点となった。

開票率80%強の段階で、野党連合「ジュントス」が人口の多いブエノスアイレス州の下院議席を含め、大半の主要選挙区を抑えた。

上院の接戦区でも開票が進んだ段階で、ジュントスが他の政党を大きくリードしている。与党が過半数を失えば、フェルナンデス政権は法案の成立や政策の実現で野党の協力が必要となる。

フェルナンデス大統領はコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)やインフレ高進、通貨安の影響で支持率が低迷しており、中間選挙の結果を受けて政権運営は一段と厳しくなるとみられる。

投稿者 荒尾保一
(NHK JP)

南米のアルゼンチンでは14日、議会選挙が行われ、新型コロナウイルスの感染の拡大や経済の低迷などへの不満からフェルナンデス大統領が率いる左派の与党連合が右派の野党連合に得票率で下回り、敗北する見通しとなりました。

南米のアルゼンチンでは14日、上院の3分の1と下院のおよそ半数の議席が改選となる議会の中間選挙が行われました。

現地メディアによりますと、議会下院では開票率が95%余りの時点でフェルナンデス大統領が率いる中道左派の与党連合は得票率がおよそ33%にとどまる一方、中道右派の野党連合はおよそ42%となっています。

また、議会上院でも野党連合が20ポイント近くリードしていて、与党連合は上下両院で議席が過半数割れする見通しだとしています。

アルゼンチンでは、新型コロナウイルスの感染の拡大を受けて隔離措置などを導入したにもかかわらず、500万人以上が感染し11万人を超える死者が出ています。

また、年率で50%を超えるインフレも続き、人口のおよそ4割が貧困に陥るなど経済も低迷していて、今回の議会選挙の結果は政府に対する国民の反発の高まりがあらわれたものと受け止められています。