[ブエノスアイレス 26日 ロイター] – アルゼンチンの与党連合が10月の大統領選統一候補として、正義党(ペロン党)のマサ経済相を擁立することになり、市場に安心感が広がっている。26日にはソブリン債が平均で約4%値上がりし、代表的な株価指数のS&Pメルバル指数も上昇した。

マサ氏への候補一本化に伴って、出馬を表明していたデペドロ内相はわずか1日で計画を撤回。ポピュリスト(大衆迎合主義者)のフェルナンデス副大統領に近い人物が大統領になる可能性が消滅した。

これで主要野党の候補を含めて、いずれにしても大統領選では市場に友好的な政治家が選ばれる公算が大きくなった形。ある市場関係者は「穏健で市場を重視し、投資家を理解している候補者による選挙戦になったとみなされるだろう」と述べた。

ファンドコープのエコノミスト、ロベルト・ジェレット氏は、マサ氏が与党統一候補になったことで国際通貨基金(IMF)との交渉が決裂したり、過激な経済政策が導入されたりする可能性は小さくなったと述べた上で、与党内でフェルナンデス副大統領が率いるポピュリズム主義者が勢力を失った様子もうかがえるとの見方を示した。

投稿者 宍戸和郎