【AFP=時事】米州開発銀行(IDB)は12日、次期総裁に、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のアドバイザーでキューバ系米国人のマウリシオ・クラベルカロネ(Mauricio Claver-Carone)氏(45)が選出されたと発表した。これまで同行総裁は中南米出身者が務めてきたが、クラベルカロネ氏は初の米国出身者となる。
クラベルカロネ氏は今回の総裁選の唯一の立候補者で、投票で30票を獲得し勝利。米政府に近い情報筋によると、うち23票は南米諸国のもので、得票率は66.8%だった。10月1日から5年間の任期を務める。
ただ、IDBの60年の歴史において初の中南米出身者以外の総裁となるため、同氏の選出をめぐってアルゼンチンやチリなどの加盟国からは反発も上がり、アルゼンチンは投票の棄権を呼び掛け、チリは総裁選延期の可能性を示唆していた。
結局、ブラジル、コロンビア、ボリビアといったトランプ政権と関係の近い国々の後押しを受け、クラベルカロネ氏が勝利した。
総裁選は当初3月に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。
投稿者 荒尾保一