【サンパウロ時事】22年をかけて日本を含む102カ国を巡ったアルゼンチン人一家が13日、出発地でもある首都ブエノスアイレスで「長旅」のゴールを迎えた。五大陸を制覇し、旅行距離は地球9周に当たる36万2000キロ。途中で家族は夫婦2人から6人に増えた。

地元メディアによると、エルマン氏(53)とカンデラリアさん(51)のサップ夫妻は2000年1月25日、子供を持つ前に気ままに旅行しようと、旅の友となった1928年製の米車「グラハム・ペイジ」を駆って米アラスカに向かった。しかし、各地で知り合った人々の家を泊まり歩いたり、車中泊をしたりするうち、いつしか旅は際限なく長引いた。
資金は主に旅行記の売り上げで賄った。重病に悩まされるなど苦難もあったが、旅の途中で4人の子供に恵まれ、無事帰還した。
13日、市中心部の広場で大勢の観衆の歓声に迎えられたエルマン氏は「胸がいっぱいだ。家に泊めてくれたり、食事に招いてくれたりした人たちがいた。宗教や着ている服などたくさんの違いはあれど、みんな兄弟のように受け入れてくれた」。カンデラリアさんは「すべてが想像を超えて美しかった。私たちが(旅を通じて)発見したのは、人間の素晴らしさだった」と語った。

愛車「グラハム・ページ」の上の一家

投稿者 荒尾保一