(環境ビジネスオンライン)

三井物産株(東京都千代田区)は3月10日、100%出資の子会社を通じ、仏エネルギー大手トタル社傘下の再生可能エネルギー発電事業会社、仏Total Erenとともに参画するアルゼンチン南部の風力発電事業が2月に操業を開始したと発表した。

このVientos Los Hércules S.A.風力発電所の総発電容量は97.2MW(3.6MWの風車27本で構成)。今後20年にわたり、アルゼンチン卸電力市場運営会社であるCAMMESAに売電する。この事業は三井物産にとって初めてのアルゼンチンでの発電事業となる。

事業概要

1) 事業会社名 Vientos Los Hercules S.A.
2) 出資構成 Total Eren社 66%
三井物産(100%投資子会社経由) 34%
3) プロジェクト所在地 アルゼンチン共和国サンタクルス州
ピコ・トルンカド市付近
4) 発電容量 97.2MW(3.6MW風車×27本)
5) 総事業費 220百万米ドル(約250億円)
6) 運転開始時期 2019年半ば(予定)
7) 売電先 CAMMESA (亜国卸電力市場運営会社)

アルゼンチンの「RenovArプログラム」で落札

アルゼンチン政府は、国内の再生可能エネルギー供給率を2025年までに20%達成することを目指している。この目標達成に向け、2016年により世界銀行の支援を受けて、再生可能エネルギーの国際入札プロセス「RenovArプログラム」を開始し、これまでに太陽光・風力・バイオマス・小規模水力など、この事業を含めた発電プロジェクト169件が落札されている。

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Vientos Los Hércules S.A.風力発電所在地

Vientos Los Hércules S.A.風力発電所は、ブエノスアイレス南西約1,500kmに位置するサンタクルス州ピコ・トルンカド市付近の350ha敷地に建設された。

三井物産は2018年12月に、Total Erenより、投資子会社を通じて、この風力発電事業を推進するVientos Los Hercules S.A.の株式34%を取得した。

三井物産が日本と海外で運営する発電事業の持分発電容量は11GW(2020年9月末時点)で、そのうち再生可能エネルギーの比率は14%となっている。同社は中期経営計画で2050年のNet-Zero Emissionsを「あり姿」として掲げており、水力を含む再生可能エネルギー比率を2030年までに30%に引き上げる目標を掲げている。

投稿者 荒尾保一