(ブルームバーグ)

国際通貨基金(IMF)はアルゼンチンとの450億ドル(約4兆9500億円)の債務再編交渉に関して、合意が2022年にずれ込むと内々に見込んでいる。フェルナンデス大統領が新たなプログラムの基本方針で迅速に合意する理由がほとんどないためだ。

IMFはフェルナンデス政権に建設的に関与しているものの、11月に行われるアルゼンチン議会の中間選挙前に緊縮財政を伴う交渉の進展はあまり期待できないと、交渉に詳しい関係者5人が協議内容は非公開だとして匿名を条件に明らかにした。

  アルゼンチン政府が年内に期限を迎えるIMFへの元利支払い(45億8000万ドル)の財源を十分に確保できる可能性が高いことから、合意の迅速化を求める同国への圧力は和らいでいる。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が及ぼす経済的な影響への対応策として、IMFは特別引き出し権(SDR)の新規配分を行う予定で、アルゼンチンには8月に44億ドルが割り当てられる見込みだ。さらに、主要な輸出産品である大豆の価格上昇でドル建て収入が予想を上回る水準に増加している。

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IMFへの債務返済反対を求めるポスターの前を通り過ぎる男性(ブエノスアイレス)

  同関係者のうち2人によると、アルゼンチンとIMFは、新たなプログラムの土台となる経済見通しについて今のところ合意に至っていない。関係者1人は、アルゼンチン側が提出した見通しは過度に楽観的だとしている。

  アルゼンチン経済省はコメントを控えた。IMFのライス報道官は今月10日、アルゼンチンの深刻な社会的・経済的課題に対処するためのプログラムに取り組んでいると発言していた。IMFは同氏の発言以外で追加のコメントはないと説明した。

原題:IMF Sees $45 Billion Deal With Argentina Pushed Into 2022(抜粋)

投稿者 荒尾保一