国際通貨基金(IMF)は19日、アルゼンチンの債務水準が「持続不可能」との見解を明らかにした。同国の当局者との1週間にわたる一連の実務協議を経て声明を発表した。

IMFは声明で、アルゼンチン債務の持続可能性を回復させるには、民間の債券保有者からの「意味のある貢献」が必要になるだろうと指摘した。同国政府が債務の再交渉を準備する中で、民間債券保有者に損失負担を求める可能性が出てきた。

IMFは「制御可能なロールオーバーリスクおよび十分な潜在成長率と整合的な水準になるまで公的債務と資金ニーズ総額を減らすには、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字が必要になる」とした上で、「経済的にも政治的にも実現は不可能」との認識を示した。

昨年7月以降に国際準備の3分の1余りを失い、厳しい資本規制を導入したアルゼンチンだけに驚くほどのこともないといえるが、今回のIMF声明は、同国の財政危機と債務管理の失策の歴史に新たな章を加えるものだ。

アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、IMFからの560億ドル(約6兆2000億円)の借り入れを含む多額の債務の再交渉を目指している。

IMFの声明は「債務オペレーションへの最大限の参加を促すため、民間債権者が関与する共同プロセスを継続する重要性をIMFスタッフは強調した」と説明した。

投稿者 荒尾保一