(NHK)

物価の高騰など経済の混乱が続く南米アルゼンチンの政府は、IMF=国際通貨基金から受けた日本円で5兆円余りに上る金融支援の返済の期限を引き延ばすことなどで、IMFと合意したと発表しました。
経済の立て直しにつながるのか、注目されています。

アルゼンチン政府は、財政状況の悪化などから4年前、IMF=国際通貨基金に金融支援を要請し、これまでに445億ドル、日本円にして5兆円余りの支払いを受けました。

しかし、年率でおよそ50%のインフレが続くなど経済の混乱が収まらず、デフォルト=債務不履行に陥るおそれも指摘され、IMFとの間で、債務の返済の繰り延べなどをめぐる交渉を続けていました。

フェルナンデス大統領は28日、国民向けのメッセージで「問題の解決策を見いだした。今回の合意で秩序を取り戻し、未来を築くことができる」と述べ、基本合意に達したことを明らかにしました。

IMFが、アルゼンチン政府が抱える債務の返済期限を引き延ばし、返済を容易にする一方、アルゼンチン側は、財政赤字の削減やインフレ対策などに集中的に取り組むとしています。

アルゼンチンの議会とIMFの理事会が今回の合意を承認すれば、懸念されていたデフォルトは当面、回避される見通しで、混乱が続く経済の立て直しにつながるのか、注目されています。

投稿者 荒尾保一

現地紙TELAMの伝えるところによると、ファン・マンスール官房長官とマーティン・グスマン経済相は、記者会見を行い、以下の諸点を明らかにした。

・今回の合意を確定するためには、亜政府とIMF都の間で覚書を締結し、亜議会及びIMF理事会の議決が必要である。そのため数週間の期間が必要で   ある。

・支払い延期の対象は、マクリ政権時代の借入総額の445億ドル全額である。

・支払い期限の延長幅は2年半であるが、上記覚書が承認され、IMFの査察で合意されると、10年まで延長できる。

・第一次基礎的財政収支の赤字幅は、2022年はGDPの2,5%、2023年は1,9%、2024年は0,9%に削減する。

・インフラと科学技術への投資は継続するが、エネルギーへの補助金は大幅に削減する。

等々である。