日亜修好120周年 安倍首相メッセージ

2018/02/23
(外務省プレスリリース)
2018年,我が国とアルゼンチン共和国は,1898年の外交関係樹立から120周年を迎えました。
両国の外交関係樹立120周年を祝するため,安倍晋三内閣総理大臣の祝賀メッセージがアルゼンチンの現地紙に掲載されました。
安倍総理大臣からのメッセージでは,政治,経済,文化,スポーツ,人的交流等幅広い分野における両国関係の発展に触れつつ,外交関係樹立120周年を契機とした今後の120年の関係を担う両国の若者の相互理解の重要性が述べられています。

(安倍首相メッセージ)

マウリシオ・マクリ大統領閣下、
アルゼンチン国民の皆様、

 日本とアルゼンチン共和国との外交関係樹立120周年に当たり、日本国民及び日本国政府を代表して、マウリシオ・マクリ大統領閣下及びアルゼンチン国民の皆様と共に、この記念すべき慶節を迎える喜びを分かち合いたいと思います。

 1898年に、両国が修好通商航海条約を結んで以来、両国が伝統的な友好協力関係を発展させてきたことは誠に喜ばしい限りです。この友好の歴史の中で、アルゼンチン日系社会が、アルゼンチン社会の一員としてアルゼンチンに貢献され、日アルゼンチンの「架け橋」となってこられたことに改めて心より敬意を表します。また、日系社会を温かく迎え入れて下さったアルゼンチン国民の皆様に深く感謝します。

 マクリ大統領閣下の卓越したリーダーシップの下、アルゼンチンは国際金融システムに復帰したのみならず、一連の経済改革を通じビジネス環境の改善に取り組んでいます。また、国際場裡では、昨年12月のWTO閣僚会議の開催や本年のG20議長国等、大変重要な役割を担っています。この機会に、マクリ大統領閣下の内外にわたる幅広いイニシアティブに敬意を表します。

 一昨年11月、私は日本の総理大臣として57年ぶりにアルゼンチンを公式訪問し、その後、昨年5月にマクリ大統領閣下が訪日されました。本年末にはアルゼンチンが南米で初めてG20を開催し、来年にはアルゼンチンからバトンを引き継ぎ日本でG20を開催します。過去に例のない4年連続の首脳の相互訪問を通じて、マクリ大統領と共に、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有し、地域及び国際場裡の課題に共に取り組む戦略的パートナーたるアルゼンチンと日本の関係をより一層強化していきたいと思います。

 日本では、120周年の記念日である2月3日、アルゼンチンの世界的なパフォーマンス・グループである「フエルサ・ブルータ」による記念公演が盛大に行われました。これは、オリジナルの公演とは異なり、120周年を記念して、日本人とアルゼンチン人のパフォーマーが共に新たに作り上げた躍動感あふれる舞台であり、日アルゼンチン関係の新たなページを開くにふさわしいイベントとなりました。

 今後の日アルゼンチン関係を発展させていく上で、将来を担う両国の若者が相互理解を深めることは大変重要です。昨年10月に日本と中南米では初めてとなるワーキングホリデー制度が二国間で開始されました。本年10月には、ブエノスアイレスでユース五輪が開催されます。そして、2019年には日本でラグビーワールドカップ、2020年には東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されています。こうした機会を通じ、両国の若者を始め、多くの国民が相互に訪問し、お互いの理解と友好関係が一層深まることを期待します。

 最後に、120周年を機に両国の友好の絆が益々強固になることを確信すると共に、マクリ大統領閣下とアルゼンチン国民の皆様の益々のご健勝とご多幸を心から祈念し、お祝いのメッセージといたします。
平成30年2月21日
日本国内閣総理大臣 安倍 晋三

投稿者 荒尾保一