[ニューヨーク 25日 ロイター] – アルゼンチンの通貨ペソは、闇市場で過去最安値を記録した。大統領選を控える中で不確実性が高まっている上に、重要な輸出品目である穀物が深刻な干ばつで打撃を受けるなど、経済全体が著しく悪化している。

アルゼンチンペソは24日、闇市場において1ドル=460ペソの最安値に沈み、1週間前に付けていた400ペソからさらに下落した。政府による強い管理下に置かれている公式レートは約220ペソ。

24日の下落率は4.6%で、この9カ月間で最大。公式レートと非公式レートのかい離率は107%以上と、昨年8月以来最も大きい。

中央銀行はペソを支援するため、3月だけで10億ドル超の介入を実施。ペソ安はフェルナンデス政権に通貨切り下げ圧力を強めている。

ボントベル・アセット・マネジメントのEM債務ストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、カルロス・デ・スーザ氏は「フェルナンデス氏が大統領に就任して以来、アルゼンチンでは通貨切り下げのうわさが絶えない。しかし、経済論理に反して、切り下げは起こっていない」と指摘。「大統領選前に公式レートが切り下げられれば大きなサプライズだが、おそらく次期政権が最初に行うことの一つだろう」と述べた。

投稿者荒尾保一