[ブルームバーグ 19日] – 中国人民銀行（中央銀行）はアルゼンチンに対し、両国間の通貨スワップ枠から65億ドル（約9700億円）の追加利用を認めた。アルゼンチンのフェルナンデス大統領が18日、北京での習近平国家主席との会談後に明らかにした。
同大統領が当初求めた50億ドルに習主席は15億ドルを上乗せしたという。22日のアルゼンチン大統領選挙を控え、政治的な不確実性の中でアルゼンチン・ペソは売り込まれている。
アルゼンチンと中国の通貨スワップ枠は総額180億ドル。アルゼンチンは今年、国際通貨基金（ＩＭＦ）への債務返済やドル不足に伴う輸入資金調確保のため何度かスワップ枠を利用していた。
アルゼンチン大統領選は左派フェルナンデス政権の正義党（ペロン党）から出馬したマサ経済相ら３人が争っている。
８月に行われた予備選では新自由主義的な公約を掲げるハビエル・ミレイ氏が予想外にリード。同氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、 大統領選に勝利すれば中国との関係を凍結し、南部共同市場（メルコスル）を脱退すると表明している。
「中国では人々の自由がなく、彼らは望むことができない。それをやろうとすれば殺される」とミレイ氏は指摘。「暗殺者と取引するだろうか」と述べていた。
投稿者 宍戸和郎
