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 2019年の中国の水産物漁獲量は世界1位で8259万トン。2位のインドネシアより約6000万トンも多く、ダントツである。ちなみに日本は10位で417万トンだ。  こうした状況から物事を前進させるため、前述のアルゼンチン人教授は米国政府が行動を取るべきであると提言している。  南米諸国と歩調を合わせ、さらに国際機関に働きかけて中国漁船団の乱獲を中止させる必要があると説く。  だが、武力攻撃による解決は望んでいない。  「私たちの目標は(世界中に)問題を認識してもらい、我々を支持してもらうことです。戦略としては『法的に攻撃的』ということです。法律家として、世界環境を保つことが私の使命だと思っています」  こうした動きに呼応するように、米ジョー・バイデン政権内にはすでに多国籍によって対中圧力を強めていく流れがある。  国土安全保障省の情報分析局は2021年2月、内部文書で次のように記している。  「南米諸国は中国に対して通商分野での圧力を増すために、連携を形成していくだろう。そして漁業の国際規範を厳守させていくはずだ」  同文書は米国の危惧も記述している。  仮に米国が単独で中国に対して制裁などの動きに出たとすると、中国は対米制裁として、米ハイテク企業に制限を加える新法を作る可能性があるというのだ。