27日行われた亜国大統領選挙の結果について、ロヘリオ フリヘリオ内相は、開票率89%の段階でフェルナンデス候補が47,94%、マクリ候補が40,54%の得票を得たと発表した。

マクリ大統領は敗北を認め、28日(月)より、政権移行の手続きに入ると述べた。

投稿者 荒尾保一

(記事追加)

[ブエノスアイレス 27日 ロイター] – アルゼンチンで27日に大統領選挙が実施され、左派の野党候補、フェルナンデス元首相が現職マクリ大統領を抑えて勝利した。経済危機が続くなか、左派政権の復活が確定した。

集計結果(開票率90%超)によると、大衆救済路線のペロン主義を掲げる正義党(ペロン党)のフェルナンデス氏の得票率は47.79%と、マクリ氏の40.71%を大きく上回る圧勝となり、決選投票を回避できる水準である45%も上回った。

マクリ氏は自身の政党への演説で敗北を認め、フェルナンデス氏への祝意を述べた。
アルゼンチン大統領選では、1回目の投票で得票率45%以上を獲得するか、得票率40%以上で2位に10%ポイント以上の差をつけた候補がいれば、決選投票には進まずに結果が確定する。

フェルナンデス氏は8月に実施された大統領選の予備選挙でマクリ氏を抑えて首位に立っており、その後の世論調査でも概ね、支持率でマクリ氏に20ポイントのリードを維持してきた。ただ、予備選の結果を受けて、市場ではポピュリズム(大衆迎合主義)へのシフトが懸念され、通貨ペソが急落するなど、動揺が見られた。
市場の動揺によってアルゼンチンの経済危機は深まり、マクリ氏の再選は困難な状況となった。
フェルナンデス氏はこの日、投票所で一票を投じた際、「われわれは非常に大きな危機のさなかにある。このため、われわれ全員が将来について強い責任感を持ち、全員で取り組む必要がある」と訴えていた。

マクリ氏は経済開放など改革路線を進めてきた。ただ、昨年に発生した通貨や債務の危機によって国際通貨基金(IMF)の支援が必要になり、改革政策に影を落とした。

アルゼンチンが再び本格的なデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が市場でくすぶるなか、フェルナンデス氏は、1000億ドル超の国債の債務再編に向けた、IMFを含む債権者との交渉をマクリ氏から引き継ぐことになる。